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 ニューヨークのど真ん中に残された古い墓地の地下室から発見された二つの死体。 その謎を追うエラリーは、一度、二度、三度までも犯人に裏をかかれて苦汁を嘗めるが、ついに四度目、鮮やかに背負い投げをくわせる。 大学を出て間もないエラリーが、四面楚歌の中で読者に先んじて勝利を得ることができるだろうか?
 クイーン最大の長編であり、古今有数の名編、本邦初の完訳。
                              創元推理文庫より
 

 クイーンといえば、やっぱり国名シリーズ。その代表作の1つとして挙げられるのが、この作品です。

 この国名シリーズの特徴は、小説の後半に『読者への挑戦状』が挿入される事。完璧なロジックとフェア精神を掲げるクイーンは、推理の手掛かりをすべて読者の前に提示します。つまり『読者への挑戦状』が挿入された段階で、読者も犯人を推理することが出来るのですね。

 しかし、この小説は複雑すぎ!!何が複雑かって、事件の真相を突き止めるのに必要な証拠の数々の中に、犯人が捜査をミス・リードする為にわざと残した証拠がある事!!推理を働かせる前に、まず証拠が本物か偽者かを考えなきゃなりません。
もう、お手上げです。中盤くらいで、僕は推理を諦めましたよ。

 ただ読む事に徹しても、この小説の面白さは半減しません。物語のラスト、今まで提示された謎が一つに集約されていく場面はとにかく読んでいて感心するばかり。犯人の意外性も『国名シリーズ』で1,2を争うでしょう。
 翻訳が苦手な人は少し大変かもしれませんが、その苦労をしても損は無いと思います。

 ちなみにこの小説は、当時創元推理文庫とハヤカワ・ミステリー・文庫の2つの出版社から刊行されていました。前者は正確な翻訳とやや読みづらい文章、後者は若干の誤訳と読み易さ。どちらで読むのかはお好みしだい。ちなみに僕は翻訳が苦手なので、後者で読みました。