たいりょうのちょっと一息

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『水車館の殺人』 著者:綾辻行人

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 惨劇に彩られた「十角館」と同様、奇矯な建築家・中村青司の手になる「水車館」。古城を彷彿させる館の主は、過去の無惨な事故ゆえ常に仮面をつけた藤沼紀一。妻は幽囚同然の美少女。1年前に起こった奇怪な殺人と、一人の男の密室からの消失。舞台は整った。1年後のいま、戦慄の大トリックが待ちうける!
                               amazon紹介より
 

 『十角館の殺人』に続く、館シリーズ第2弾。前作の館が、割合にモチーフ的な要素のひとつに過ぎなかったのに対し、今作あたりから館そのものに異形な存在感が出てきてるような気がします。
 また、作中の登場する絵の数々が暗示する表現が、のちの綾辻作品にもみられる怪奇幻想趣味に暗示されていて読み直してみると、ちょっとニヤッっとしていまいますね。

 著者も語ってますが、今回は犯人当てを結構意識して書かれたそうです。その部分では、かなり早い段階で真犯人が分かりました(だって過去と現在で同じ人物の表現が1人称と3人称で露骨に表現されてるんだもん)。
 で、そこを基準に少しづつ推理を組み立てていくと、おお、ちゃんとトリックも全部当てられたぞ!!犯人当てにめっぽう弱い僕としては非常に貴重な体験でした(笑)。

 そういう点ではのちに著者もコメントしてる通り、比較的親切すぎるくらいの仕上がりになってます。 おそらくシリーズ中最もオーソドックスなこの作品。いろいろな楽しみ方の出来る佳作だと思います。