邦画『下妻物語』 監督:中島哲也

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茨城県・下妻に住み、ぶりぶりのロリータ・ファッションに身を包んだ少女・桃子(深田恭子)がヤンキーのイチゴ(土屋アンナ)と出会い、数々の騒動に巻き込まれながらも強力な生き様を貫く、嶽本野ばら原作のハイパーパワフルな乙女たちの純情物語。
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 のっけからいい意味でバカセンス爆発の画面についニヤニヤ、いきなりゴスロリで原付に乗ったフカキョン跳ねられるし、桃子生誕の物語はワイドショー中継されるし、かなり確信犯的な構成がこれでもといった感じで畳み掛けてきます。これが爆笑というよりもついニヤッとしてしまう、不思議な気持ち良さが溢れて来ます。

 なによりもキャラクターの造詣が凝ってるというか。桃子もロリータな外見とは裏腹に内面は超打算的ですし、イチゴの妙に女の子的リアクションも微笑ましく。キャスティングも桃子の両親を演じる宮迫博之篠原涼子、祖母の樹木希林(独眼流並の眼帯してます)など個性あふれる面々。個人的には本田博太郎扮するヤクザと、荒川良々扮する八百屋がお気に入り。

 冒頭から最後まで、とにかく個性的な構成の連続ながらも、見終わってみるとキッチリ王道の青春物語になっていて、見終わった後は、爽やかな満足感が残ったりして。

 まあ、この作品の最大の魅力はやっぱり主役の2人。ヘタウマの極致ともいえるフカキョンの暴走演技、とにかくヤンキー顔な土屋アンナ、どっちが欠けてもこんな作品にはならなかったんじゃないかな。特に桃子がイチゴの為に、レーディスの方々の前にして言い放つ啖呵は、今まで作ってきた桃子の中から、アンナの為にホントの桃子が出て来てしまったかのような、とってもステキなシーンでした。

 うーん、細かいことはあれど、とりあえず面白い映画は面白い。映画のあるべき姿を見たような気がしました。