『この小説がなかったら推理小説は読み続けなかった BEST5』

今回は、『この小説がなかったら推理小説は読み続けなかった BEST5』、という事で、なんだかよく分からんタイトルですが。
なんとなくの記憶ですが、多分初めての推理小説ポプラ社の少年探偵団物だったと思います。それ以降少しづつ読み続け、そして今に至る訳です。その節目節目で出会った幾つかの小説がなければ、ここまで読み続けてこなかったんじゃないかなあという作品があります。

といっても、そういう小説は数ある訳で。まあ、その中で無理矢理選んで見ました。
という事で5位から。

緑衣の鬼  著者:江戸川乱歩

 小学生の時に読んだ、ポプラ社版でやたら記憶に残ってるこの作品。もしかたら、個人的に「意外な犯人」という衝撃に出会った初めての作品かもしれない。
しかし、今いろいろ読み返してみると、乱歩先生の長編は結構同じパターンの犯人が多いかも(笑)。『蜘蛛男』と『●●●』とか、前半読んだだけで犯人想像ついちゃいます。
 ちなみに他にポプラ社版で記憶に残ってるのは『黄金仮面』。うーん、こりゃねえだろと。だって“あの人”が人殺しちゃうんですもん。ちなみに、過去映画化された時に、黄金仮面役を伊吹吾郎がやってます。もはや問答無用です。
なんか取り留めない感想になりましたが、続いて第4位。

 

黄色い部屋の謎 著者:ガストン・ルルー


 当時の小学校の教室にあった学級文庫で読んだあかね書房版(だったかな)が初読かな。やっぱり、『金田一少年の事件簿』でも使われてる“あのトリック”が強烈に残ってます。とにかく面白く、とにかく驚きました。
 ただ、この小説つい最近読み直したのですが、うーんあんまり面白くないぞ(笑)。とにかく無駄な部分が多い!!これはやっぱり新聞小説ということでしょうが無かったのかな、とも思いますが。
 ところで『金田一少年の事件簿』ですが、よくトリックの盗用で叩かれてます。まあ、否定は出来ませんが、もう少し本編に有機的に絡めば、ここまで言われなかったと思うぞ!!『六角村の殺人』なんて、そのトリック使わなくても全然話作れるし!!
ちょっと脱線したところで、第3位

グリーン家殺人事件 著者:ヴァン・ダイン

 またまた、学級文庫で読んだあかね書房版(だったかな)が初読。とりあえず、挿絵がものすごくオドロオドロして、怖かった記憶が(笑)。もちろん、話は面白かったし、なにより胡散臭いヴァンスの薀蓄が省略されてて、凄く読みやすかった。
 なんだろう、横溝を読むまで、遺産ドロドロ系といえば、この作品。典型的な古典ミステリの面白さを知った作品です。
 のちに、大人版を読み返しましたが、やっぱり面白かったです。というか、今はヴァンスの薀蓄大好きです。
珍しく内容のみで語ったよ。
さてさて、おしくも次点の第2位。

 

アクロイド殺人事件 著者:アガサ・クリスティ

 いやあ、古典の名作ですね。フェアかアンフェアかという論議を醸し現在にまでその決着は着いていない(多分)。僕はフェアだと思いますけどね。
 でも、そんな事はどうでもいいよ。だって面白いだもん。筋立ても語り口も、ポアロの存在も。それでいいじゃないすか。数々の亜流を生み出したこのトリックには、読み終えた時感動で鳥肌立ちました。この1点だけで、未来永劫語り継がれる小説だと思います。ちなみに、初めて完訳で読んだ外国の推理小説がこの作品です。
さて、いよいよ第1位!!

 

14ピストルの謎  著者:エラリー・クイーン

 何だ、このタイトルは??と思う人もいるとは思いますが、これはあかね書房版(なはず)のタイトルで、原題は『靴に棲む老婆』もしくは『生者と死者と』で知られている作品です。
 で、なぜ一位かというと、実はこれを読んだとき、ラストのページが破れてて犯人がわからなかったのです。しかもここまで原題と違うと作品を探すのが一苦労。しかも有名な国名シリーズではないし!!こうなると、片っ端からクイーンを読むしかない!!と、そんなこんなしてるうちに、いつのまにかイッパシの推理小説ファンになったのです。もちろん、この作品自体の面白さも折り紙付き。いろんな意味で間違いなく、『この小説がなかったら推理小説は読み続けなかった BEST5』のNO.1です。

 こう振り返ると、小学生の時に読んだ本ばっかりですなあ。やっぱり子供自体の教育は人間形成に重大な影響を与えるんですね(笑)。
ところで、学級文庫のあったあかね書房のシリーズは、上に上げた作品の他にコナン・ドイルの『バスカヴィル家の犬』、クリスティの『ABC殺人事件』、クイーンの『エジプト十字架の謎』など、そうそうたるラインナップがそろってました。
というか、こんなのが置いてある学級文庫、今考えると凄いなあ。