『Angel Heart』 著者:北条司

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 台湾の黒社会組織の殺人兵器として養成された少女 グラス・ハート。彼女は自殺を図るが、シティーハンターのパートナー、香の心臓を移植され一命をとりとめる。蘇ったグラス・ハートは組織を抜け出し、香の記憶に導かれるように新宿・の元へ。やがて二人は香の心臓という絆で強く結ばれた、父と娘としての生活を送り始めるのだった。

コミック☆バンチHPより


週刊少年ジャンプで連載された人気コミック『シティハンター』の続編になる作品。作者はパラレル・ワールド的なものとコメントしているらしいのですが、まあ続編でしょう(笑)

最近は昔の漫画の続編やリメイク物がたくさん書かれていますが、その殆どがオリジナル作品に遠く及ばない出来栄えのものが多いです。その中で、この作品はよく出来ていると思いますよ。

前作のファンからすると、いきなり香(前作のヒロイン)が死んでいることが分かりかなりのショックを受けること間違いなしです。
僕もそうでした。前作のラストでやっと結ばれた二人がいきなりこんな別れをするなんて、しかも依頼用の伝言板も無くなってるし、遼ちゃんも抜け殻状態です。

そんな彼の元に、香の心臓を移植された殺し屋の女性グラス・ハートが現れます。殺し屋という世界に絶望し、自殺を図った彼女に組織のボス(実は父親)が盗み出し移植手術を受けたのです。で、お約束のドナーの記憶がグラス・ハートを新宿に導き、いろいろあった末に二人は父と娘として、一緒に暮らし始めます。

とにかく、最初は予想外のスタートでびっくりしましたが、二人が暮らし始めたらそれ以降の展開はまさに「シティハンター」と同じ。もっこり美女と、それを狙う謎の組織・・・。なんだか懐かしい薫りが漂いまくりです。
でも、下手に新機軸にするよりも前作を踏襲してくれたのは個人的に嬉しかったですね。前作の登場人物にも新たなエピソードが追加されたり(なかにはパラレルワールドらしく矛盾した展開もありますが)して、ちょっとニヤッとしてみたり。
とにかく、ベテラン作家のそつの無いストーリー展開に涙ホロリの好作品です。

でも、海坊主の奥さんの美樹さんは残して欲しかったなあ~。