2005-11-20から1日間の記事一覧

『夜は千の鈴を鳴らす』

マンションの一室。女社長と若い秘書が話している。ひょんなことから女社長は秘書を挑発するように「私を完全犯罪で殺害出来れば、土地を譲る」と口にした。そして10日後、女社長は寝台特急「あさかぜ」内で死体となって発見された。死ぬ前に「ナチが見える…

『北の夕鶴2/3の殺人』

その事件は一本の電話から始まった。一課の刑事部屋に詰めていた吉敷の元に、五年前に別れた妻の通子から突然の電話がかかってきたのである。声にはどこか不安な響きがあったが、はっきりしたことは何も話さないまま、今夜《夕鶴》に乗って北へ帰るとだけと…