『邪魅の雫』(☆3.8) 著者:京極夏彦

「殺してやろう」「死のうかな」「殺したよ」「殺されて仕舞いました」「俺は人殺しなんだ」「死んだのか」「──自首してください」「死ねばお終いなのだ」「ひとごろしは報いを受けねばならない」 昭和二十八年夏。江戸川、大磯、平塚と連鎖するかのように毒…

『森博嗣のミステリィ工作室』 著者:森博嗣

ミステリィを書く上で、影響を受けた100冊をセレクトした「ルーツ・ミステリィ100」、犀川&萌絵シリーズの自作解説「いまさら自作を語る」の他、同人誌時代の漫画、専門誌に寄稿したエッセィ、山田章博・荻野真・ささきすばる三氏が語る森博嗣像も収録。森ミ…

『偽りの春 神倉駅前交番 狩野雷太の事件簿』(☆3.8) 著者:降田天

高齢者詐欺グループのリーダー、光代は、手足として使っていたはずの仲間に金を持ち逃げされてしまう。さらに、彼女の過去の犯罪をネタに、一千万円を要求する脅迫状が届く。追い詰められた彼女は、普段は考えない強引な方法で事態の打開を図るが、成功した…

『作家の人たち』(☆3.4) 著者:倉知淳

押し売り作家、夢の印税生活、書評の世界、ラノベ編集者、文学賞選考会、生涯初版作家の最期…。可笑しくて、やがて切ない出版稼業―!? Amazonより ここ数年はどうしたんだっていうぐらい本が出てる倉知さん。そんな倉知さんが寡作(?)時代の思いを迸らせた…

『信長 あるいは戴冠せるアンドロギュヌス』(☆3.4) 著者:宇月原晴明

1930年、ベルリン滞在中のアントナン・アルトーの前に現れた日本人青年は、ローマ皇帝ヘリオガバルスと信長の意外なつながりを彼に説いた。ふたりはともに暗黒の太陽神の申し子である。そして口伝によれば、信長は両性具有であった、と…。ナチ台頭期のベルリ…

「初めてのミステリは何がいい?」~『本楽大学ミステリ学部』第1回レポート~

(2007.1.12 ブログ再録) しろねこ・・・もとい、マダムホワイトさんによる『本楽大学ミステリ学部』がついに開校した。(→詳しくはこちら) そもそもマダム・ホワイトさんは校長と呼ぶべきなのか、学長と呼ぶべきなのかそこがすでにミステリ・・・。 いやそ…

『犬坊里美の冒険』(☆2・6) 著者:島田荘司

雪舟祭のさなか、衆人環視の総社神道宮の境内に、忽然と現れて消えた一体の腐乱死体!残された髪の毛から死体の身元が特定され、容疑者として、ひとりのホームレスが逮捕・起訴された―。しかし、死体は、どこに消えたのか?そして、被告人の頑なな態度は、なぜ…